扇谷順子先生の逝去を悼みて
表千家教授として重責をはたしてこられた扇谷順子先生は、先月の26日に逝去され、74歳の生涯を閉じられました。
扇谷順子先生は、恵庭市のご出身で、若い頃から表千家茶道に親しまれ、永年にわたり茶の道に精進されました。
その間、各地域で行われている表千家の全国大会にも熱心に参加され、後進の指導にあたる教授活動を通じて表千家茶道の普及発展に力を尽くされました。
また、当庵の門弟先生としてもその発展に多大な貢献を尽くしていただきました。
扇谷先生のご往生の報に接し、お悲しみをお察し申し上げますとともに、謹んでお悔やみ申し上げます。
最後に宗芯師匠が作り、扇谷先生に送られた詩を載せます。
阿弥陀さま
私はずっと阿弥陀さまに抱かれていた。
阿弥陀さまは常に離さず私をおさめとる。
私はその手をはねのけ自分で自分を愛そう、守ろうと服を纏う。
そんな私を見ても阿弥陀さまは優しく微笑んでいる。
それに反抗してまた私は服をさらに着込む。
それでも阿弥陀さまは微笑んでいる。
私は服をギュッとにぎり強く着込む。
それでも阿弥陀さまの表情は変わらない。
着込みすぎてあつく、重くなって疲れた私は一枚一枚と服を脱いでいく。
脱ぎ終わり裸となった私を阿弥陀さまはいつもと変わらない優しい微笑みで
「おかえりなさい」と抱きしめてくれた。
私はただただ涙を流し「ただいま」という。
宗芯